松江市議会 松政クラブ

平成31年2月松江市議会のご報告

トップページ > 活動報告 > 平成31年2月松江市議会のご報告

開会(2月22日)

 予算委員会の開会状況

 松江市議会2月定例議会は、2月22日から3月26日までの33日間の会期で開会になりました。2月定例議会の日程は次の通りでした。

2月
 22() 本会議(会期の決定、提案説明)
 28日() 一般質問
3月
 1() 一般質問
 4日() 一般質問・議案質疑・委員会付託
 5日()予算委員会(質疑、分科会分担、委託)
 
6日() 総務委員会・予算委員会総務分科会
 7日() 総務委員会・予算委員会総務分科会
 8日() 教育民生委員会・予算委員会教育民生分科会
 11日() 教育民生委員会・予算委員会教育民生分科会
 12日() 経済委員会・予算委員会経済分科会
 13日() 経済委員会・予算委員会経済分科会、建設環境委員会現地視察
 14日() 建設環境委員会・予算委員会建設環境分科会
 15日() 建設環境委員会・予算委員会建設環境分科会
 20日() 予算委員会(分科会長報告・質疑・討論・採決)
 
26日() 本会議(委員長報告、質疑・討論・採決)、閉会

 初日の冒頭に、松浦市長は「平成31年度市長施政方針」を述べました。

 そして、初日の22日に提案された議案は全部で179件。条例案件25件、単行案件123件(うち指定管理111件)、予算案件24件、報告案件7件です。

 条例案件は、条例等の交付を行うための掲示場を各支所等を廃止し本庁前の掲示場のみに改める条例の一部改正、消費税・地方消費税の税率が引き上げられることに伴い使用料等を規定している85条例を改正する条例の制定、専門職大学の創設等の学校教育法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定、職員の働き方改革の一環として超過勤務の抑制をするための条例の一部改正、特別職の職員の給与の減額措置を2年間延長する条例の一部改正、建築に関する事務を都市整備部から財政部に移管・斐伊川水系治水に関する事務を政策部から歴史まちづくり部に移管等を内容とする事務分掌条例の一部改正、教育委員会の職務権限の事務のうちスポーツ(学校体育を除く)・文化に関することを市長が管理・執行するための条例の制定、国民健康保険料の改正に伴う条例の一部改正、松江の林業振興と豊かな森づくり基本条例の制定、松江市茶の湯条例の制定、マリンハウス加賀・島根商工観光センターを廃止するための条例の廃止、建築基準法の一部改正・消費税等の税率引き上げに伴う手数料徴収条例の一部改正などの25件です。

 単行案件は、ホットランドやくもを地元団体に無償貸付すること、包括外部監査契約を1年間福田真也弁護士と締結すること、和名佐・小林辺地総合整備計画を定めること、市道廃止3路線・市道認定9路線などのほか、松江市総合福祉センターや東出雲おちらと村・プラバホール・各公民館・各児童クラブなど指定管理111件で、全部では123件です。

 予算案件は、平成31年度当初予算案では、一般会計、特別会計8会計、公営企業会計5会計で14会計。補正予算案では、一般会計、特別会計5会計、公営企業会計4会計で10会計。全部で24件です。

 平成31年度の当初予算編成として、地方創生に向けて策定の「第1次総合戦略」が最終年度を迎え、これまでの取り組みの総仕上げを行うと共に、平成30年度国の補正予算で小中学校普通教室のエアコン整備や地方創生拠点整備交付金のほか農林土木事業に対する公共事業の予算措置が行われたため平成31年度当初予算と一体となった事業を進めていくとしています。

 平成31年度当初予算案では、一般会計が1,001億9,800万円と5年ぶりに1,000億円を超える予算となりました。財源では、市税・地方交付税などの一般財源総額が585億5059万円余で前年度比0.6%減となりました。

 特別会計は8会計で462億8,058万円余、公営企業会計5会計で417億2893万円余、14会計の合計は1,882億751万円余となりました。

 このうち一般会計は、第1次総合戦略事業のうち予算を計上して取り組む事業は103事業で43.3億円、前年並みを確保しています。また、主な事業として、山陰まんなかインバウンド推進プロジェクト事業に1億4,000万円、城下町AR・VR体験環境整備事業に1,420万円、地産地消推進関連事業に1,332万円余、森林環境譲与税関連事業に4,313万円余、漁港・港湾整備事業に1億8,010万円余、プレミアム付商品券事業に12億3,228万円余、市政施行130周年記念事業に1,213万円余、まちのReproject事業に1,068万円余、新バス運行情報提供システム整備事業費補助に2,289万円余、ホーランエンヤ事業に6,387万円余、国宝松江城天守耐震対策事業に2,630万円余、菅田庵整備事業に3,490万円余、こうのとり縁結び事業に1,447万円余、感染症予防対策推進事業(風しん)に7,301万円余、幼児教育無償化関連事業に1億6,633万円、保育所施設整備事業費補助(2施設)に1億5,719万円余、玉湯統合小学校・幼稚園・児童クラブ整備事業に17億6,490万円、南学校給食センター整備運営事業に15億3,015万円余、まつえ「子ども夢☆未来」プロジェクト事業に2,998万円余、移住支援事業に3,000万円、防災行政無線整備事業に1億2,216万円余、防災対策関連事業に1,294万円余、道路・河川整備事業に27億2,389万円余、高機能消防指令センター整備事業に1億5,338万円、地熱を中心とした再エネ活用プログラム策定事業に5,969万円余、総合戦略・総合計画推進に814万円余、地域版まちづくり総合戦略事業費補助に1,040万円、新庁舎整備事業に4,746万円余などを計上しています。

 補正予算は、一般会計8億1,519万円余、特別会計5会計で5億6,789万円余、公営企業会計4会計で▲9億95万円余、2月議会の補正予算総額は4億8,213万円余を計上しています。

 このうち、一般会計の補正予算は、国の補正予算に呼応したものとして、中海スポーツパーク整備事業に7億8,720万円余、大手前観光拠点施設整備事業に4,500万円、八雲林間劇場整備事業に4,855万円余、担い手確保・経営強化支援事業に4,630万円余、国・県土地改良事業負担に5,418万円余、林道開設事業費補助に2,625万円、林業改良事業費補助に1,680万円、社会福祉施設等施設整備費補助に5,763万円余、道路ストック等長寿命化対策事業に2,000万円、嫁島高架橋改修事業に5,100万円、空調改修事業(小・中学校)に2,998万円余を計上しています。また菅田庵整備事業に3,000万円を計上しています。

 報告案件は、議会の委任による専決処分の報告として、(仮称)八雲幼保園整備工事の請負変更契約締結や公用車の事故等による損害賠償の額を定めることについてなど7件です。

 閉会後は、全員協議会が開催され、「松江市新型インフルエンザ等対策行動計画の改訂について」が議題となり、説明を受けました。

 

一般質問

 2月28日と3月1日、4日の3日間、一般質問が行われました。今回は19名の議員が質問台に立ち、このうち松政クラブからは、7名の議員が質問をしました。

 2月28日の一般質問(代表質問)には、松政クラブから2名が代表質問をしました。

立脇通也議員
  1. 周辺の市の状況から思うこと
  2. 宿泊税について
  3. 文化振興について
  4. 市制130周年について
  5. 近未来を想定したまちづくり施策の準備について
野津照雄議員
  1. 施政方針について
  2. 会派重点要望について
  3. 新年度予算について
  4. 連携中枢都市圏構想について
  5. 台湾・台北市との交流について
  6. ホーランエンヤについて

 3月1日と4日の一般質問には、松政クラブから、野々内 誠議員、三島伸夫議員、河内大輔議員、米田ときこ議員、出川桃子議員が質問台に立ちました。

 ※松江市ホームページのうち「松江市議会」では、速やかな情報提供の一環として、平成30年度からインターネットによる動画配信しています。提供準備ができて会議録が作成されるまでの間、配信しています。

2つの特別委員会の開会

 3月18日の松江市議会は二つの特別委員会が開会されました。午前中は、島根原子力発電対策特別委員会。議題は陳情の審査です。陳情は「原子力発電所の再稼動及び新規稼動の際、UPZ範囲内にあるすべての道府県及び市町村の事前了解を要件とするよう強く求める意見書を国に提出することについて」です。審査の結果、「松江市の意見が最大限尊重されるべきである。周辺自治体が事前了解権を求められていることについて関与すべきものではない。」などの討論の結果、不採択としました。

 午後は、新庁舎建設特別委員会で、議案は陳情2件の審査。松江商工会議所から提出された「松江新庁舎建設工事に関すること」は採択し、島根県木材協会松江支部・松江木材協会から提出された「松江新庁舎建設工事に関する陳情」は継続審査としました。その後、松江市新庁舎整備基本設計での議場レイアウトなどの求められていた意見については、各会派が意見を発表しました。執行部からは、これらの意見について、今後十分に検討を重ね、基本設計に反映させていきたいと述べました。今後も設計の進捗にあわせ、委員会が開会される予定です。

予算委員会の開会

 3月20日の松江市議会は、予算委員会を開会。予算委員会に付託された議案は、消費税法及び地方税法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定案(消費税の課税対象となる使用料等を規定している85条例の改正)、補正予算案1件(一般会計)、平成31年度当初予算案14件(一般会計1件・特別会計8件・企業会計5件)の16件です。

 分科会で分担審議された議案を4分科会長が報告し質疑を受けました。その後、議案ごとに討論・採決があり、松政クラブは野々内議員が代表して賛成討論を行いました。

 その結果、16議案のうち10議案を共産党が反対しましたが、全て原案の通り採決すべきものと決しました。

本会議最終日(3月26日)

 3月26日の2月定例市議会の最終日は、まず全員協議会から始まりました。本会議で審議する、教育委員会委員・公平委員会委員・農業委員会委員・人権擁護委員候補者の説明でした。

 そして、本会議が開会され、議案第174号(平成30年度一般会計補正予算第7号)が最終日に提案されました。内容は、(仮称)玉湯統合幼稚園改築事業が国の補正予算で認められたため1億2,234万円余の補正を行い、予算の総額を1,013億2,846万円余とするものでした。質疑を経て予算委員会に付託になり、直ちに開会された予算委員会では異議なく提案どおり議決すべきものと決しました。

 再開された本会議では、提案された173件すべての議案に対する、各委員長報告・質疑を経て討論が行われました。松政クラブからは、会派代表の三島良信議員が執行部提案の賛成討論を行いました。採決の結果、すべて原案通り議決しました。

 次に、陳情5件の審議では、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の全面見直しを行うことを衆参両院議長に求める意見書提出について」と、「LGBT関連法の拙速な制度に慎重を期すことを衆参両院議長に求める意見書提出について」、「松江市新庁舎建設工事に関することについて」が採択され、「原子力発電所の再稼動及び新規稼動の際、UPZ範囲内にあるすべての道府県及び市町村の事前了解を要件とするよう強く求める意見書を国に提出することについて」と「辺野古新基地建設の中止と、普天間基地代替施設の沖縄県外・国外移転について、国民的議論を深め、民主主義及び憲法に基づき公正に解決するべきことを求めることについて」は不採択となりました。また、「いじめ相談窓口(LINEによる)の開設を県に求めることについて」と「松江市役所新庁舎建設に関することについて」の陳情2件は、閉会中の継続審査となりました。

 その後全員協議会で説明を受けた、教育委員会委員の任命・公平委員会委員選任・農業委員会委員任命・人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の通知をそれぞれ原案通り議決しました

 議員提出議案の意見書提出では、松政クラブが提案し、議会運営委員会で全会一致で提出した「主要農作物種子法廃止に伴う参議院附帯決議の履行を求める意見書」は全会一致で可決し、共産党議員団が提出した「毎月勤労統計不正調査問題の全容解明を求める意見書」については、賛成少数で否決されました。

 そして、採択した陳情のうち、委員会提出議案として「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の全面見直しを行うこと、LGBT関連法の拙速な制度に慎重を期すことを求める意見書について」が提出され、全会一致で採択しました。これにより、衆参両院議長に意見書が提出されます。

 以上、平成31年2月定例市議会は、1,001億9,800万円の平成31年度一般会計予算や平成30年度補正予算案など180議案を原案どおり可決・同意し、閉会しました。

 議決になった事業、施策についてはスピード感を持って実行していくとともに、社会資本整備総合交付金事業や補助事業については、国や島根県と連携を密にして予算獲得等に努められるよう期待しています。

 

主要農作物種子法廃止に伴う参議院附帯決議の履行を求める意見書

 主要農作物種子法(以下「種子法」という。)は昭和27年に制定され、日本の農業、食の安全を守ってきた。種子法のもとで、稲・麦・大豆の品種開発と安定供給のために国や都道府県の公的役割が明確にされ、稲・麦・大豆などの主要農作物の種子の生産・普及のための施策が実施されることで、生産者へ優良で安価な種子が供給され、農作物の安全性と流通の確保につながっていた。

 しかし、種子の安定供給を果たす上で重要な役割を果たしてきた種子法は、平成30年4月1日をもって廃止され、これにより、都道府県が行ってきた種子の改良や安定供給の取り組みに法的な裏付けがなくなった。

 気候や土質などの環境は地域ごとに異なり、地域の共有財産である種子の生産を民間に委ねた場合、民間企業に種子開発が独占され、品種の淘汰・単一化、種子価格の高騰、生産者が特許料の支払を強いられる事態や、将来的に外資系事業者による独占等により、食文化の多様性や食の安心・安全が脅かされることが危惧される。

 種子法廃止法案の可決に当たっては、種子法が主要農作物の種子の国内自給の確保及び食料安全保障に多大な貢献をしてきたことを鑑み、参議院農林水産委員会では附帯決議が採択され「優良な品質の種子の流通確保」、「都道府県への財源確保」、「種子の国外流出の防止」、「種子の独占による弊害の防止」等が求められている。

 よって、国においては、主要農作物の種子の安定供給や品質確保の取り組みを後退させることのないよう附帯決議を確実に履行するとともに、生産者及び消費者等の不安払拭のために、必要な措置を講じるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成31326

松 江 市 議 会 

 

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の全面見直しを行うこと、LGBT関連法の拙速な制定に慎重を期すことを求める意見書

 性同一性障害者が戸籍上の性別を変えるには生殖能力をなくす手術が必要であるとする「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下、「性同一性障害者特例法」と記す)の規定について、最高裁は、「現時点では合憲」との判断を示したが、性同一性障害者への社会の受け止めには変化があるとして、「違憲の疑いが生じている。」「合憲かどうかは継続的な検討が必要である。」との意見が付された。

 平成16年に、性同一性障害者特例法が施行され、平成20年に同法第3条第2項の規定が改正された際、社会的環境の変化等を勘案し、3年を目途として必要に応じた検討が加えられるものとする付帯条項が明記されたものの、ほとんど見直しが行われていない状況である。

 同性婚容認などを含むLGBT関連法の制定に向けては、我が国の歴史、文化を十二分に考慮し、性同一性障害者特例法の見直しと合わせた十分な議論が必要である。

よって、本市議会は下記の事項について、強く要望する。

1国は、性同一性障害者にかかる様々な問題について幅広く議論を深め、性同一性障害者特例法の抜本的な見直しを図ること。

2国は、LGBT関連法の検討にあたっては、性同一性障害者の立場も尊重し、丁寧な議論を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成31326

松 江 市 議 会