松江市議会 松政クラブ

岐阜県と愛知県で会派研修

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岐阜県と愛知県で会派研修

 平成30年4月22日から24日までの3日間、松江市議会会派・松政クラブは会派研修を実施し、公務等で参加できなかった2議員を除いた14議員が参加しました。
 視察の主な目的は、航空機産業における松江市製造業の関与の可能性調査と、原発関連の高レベル放射能廃棄物の安全な地層処分の研究開発を行っている施設の視察、姉妹都市・愛知県大口町の産業振興・企業誘致の状況です。

4月22日

 4月22日は、名古屋・小牧空港に隣接する「三菱重工業MRJミュージアム」で三菱航空機の見学を約2時間にわたって行いました。

 三菱重工業は、グループを挙げて開発を進める国産初のジェット旅客機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)をテーマとする展示施設「MRJミュージアム(MRJ MUSEUM)」を、名古屋航空宇宙システム製作所 小牧南工場内のMRJ最終組立工場にグランドオープンし、MRJの開発・製造を担う本拠地で、MRJに込められた最先端技術を体感する施設として一般公開を有料開始しています。

 MRJ展示施設と最終組立工場の見学ツアーでしたが、氏名・生年月日が記載の身分証明書でチェック、カメラ・携帯スマートフォンは入場前に預けるといった厳しいチェック体制のもと見学しました。

 工場内には5機が製造中でしたが、運航に必要な国際認証が取れておらず、2020年には取得し量産を開始したいということでした。量産体制に入ると月産10台が生産されるということでした。

 日本の優れた技術と、日本独自の美感覚を集結した飛行機が、一日も早く飛ぶように期待を込めて見学を終えました。

 日本は、航空機の開発を禁止されていた時代がありました。その間、開発技術を持つ技術者が離散、技術・知識が継承されなくなったことも航空機産業の遅れやFAAの型式証明が取れないことの遠因にもなっています。他方、新潟市の航空機産業部品製造プロジェクトでは、世界の航空機メーカー関連からの部品提供を目指しています。世界の航空機需要は20年後には約2.6倍となる見込みであり、日本で生産されている航空機部品はアメリカの10分の1であり、受注の余地が有るということです。

 島根県内製造業で作る「SUSANOO」も新潟と同じような視点だと考えられます。その上でMRJの部品供給が加われば、航空機関連産業の未来は大きく開くことになります。松江市の航空機産業部品製造への取り組みが進むよう、松江市の製造業もこれらの飛行機関連産業に関われるよう技術の高度化の努力を重ねてほしいと願っています。

 早くMRJが量産体制に入り、とりあえず「SUSANOO」への発注、そして、市内製造業の技術の高度化を図っての受注が始まるために、松江市の取り組みが求められることを感じた見学でした。


控え室でMRJの取り組みをビデオで見ました


見学中唯一許された空間で写真撮影


日本人として誇らしいMRJの勉強でした

4月23日

 4月23日は、朝ホテルをバスで出発し、岐阜県瑞浪市の国立研究開発法人日本原子力研究開発機構・東濃地科学センターに向かいました。

 この施設は見学施設ではなく、週2回日時指定でのみ視察に応じています。ここでは、原子力発電により不可避的に発生する高レベル放射性廃棄物の安全な地層処分に資するため、地下深い所の地下水や岩盤の様子を解明する研究開発を行っています。

 センターの中核施設としての「瑞浪超深地層研究所」では、まず研修室で概要説明やビデオで施設や研究の概要を聞きました。

 次に、用意された作業服に着替え、掘削工事等に支障のない範囲で地上の設備や地下の研究現場の様子を見学しました。地下500メートルまで掘削しているようですが、私たちは300メートルまでエレベータで下がりました。ゴンドラのように揺られながらの3分間はちょっと怖い感じでした。研究坑道を歩きながら説明を聞きましたが、地下に廃棄した廃棄物が地下水に溶け出して地上に影響がないかの問いに対して、人工的に閉じ込める対策と地下深い地層が持っている閉じ込める能力で防ぐということでした。地層処分の安全性を確信した視察となりました。


瑞浪超深地層研究所。国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の施設です


研修室での説明


地層処分説明中のスライド


作業服に着替えて、いざ300メートルの地下へ


地上のエレベーターなどのワイヤー施設を見学


ワイヤーで昇降するエレベーター


地下300メートルの試験坑道で説明を受けます


延長約100メートルの試験坑道


3班に分かれて説明を受けました


随所で試験機器の説明を受けました

 午後は、姉妹都市である愛知県大口町に急ぎました。大口町歴史民俗資料館では、堀尾吉晴公縁の生誕地である大口町の歴史をテーマにしたまちづくりについて研修しました。堀尾公を敬愛し歴史を紐解きながらまちづくりを展開する大口町の姿勢に強い感銘を受けました。

 大口町視察には、長屋教育長、平岡生涯教育部長・担当課長らの町執行部に、議会から宮田議長・伊藤副議長・常任委員長4名、議会事務局長・次長に出席していただきました。


大口町歴史民俗資料館会議室での研修会

 そして、視察に移り 歴史民俗資料館、歴史ボランティアガイドの皆さんによって、堀尾跡公園や八剣社、桂林寺を回りました。心温かい大口町の皆さんによって、堀尾吉晴公の縁の地を巡り、歴史認識を新たにしました。


堀尾跡公園で歴史ボランティアガイドの皆さんの説明を聞きました。このガイドの皆さんは松江市の例を習われたそうです。

 夜は研修外ですが、折角、姉妹都市の大口町を訪れたことから、大口町の皆さんと会食・意見交換会を行いました。宮田大口町議会ら大政クラブ7名、鈴木町長、長屋教育長、社本総務部長、前田議会事務局長に出席していただき、有意義な交流ができ、親交を深めることができました。松江市と大口町との末永い交流を誓い合う意義ある楽しい交流会となりました。


名古屋市内の飲食店。鈴木町長の挨拶中

4月24日

 会派視察研修3日目4月24日は、名古屋・小牧空港ビル会議室で、「大口町における企業誘致」の調査研修でした。飛行機の時間の都合で、空港ビル会議室を借りての大口町研修には、大口町議会の宮田議長や斎木建設総務委員長、大竹総務建設副委員長、そして執行部から、天野まちづくり部長・水野企業支援課長などの皆さんに出席していただきました。

 大内町の企業誘致は、都市計画など国制度の緩和に迅速に対応し、県の同意が不要になった都市計画マスタープランの作成に際し、町独自の考えでの土地利用を積極的に考えていました。そして、安定した税である固定資産税の増収増加に着目した土地利用を進め、交付税不交付団体としての躍進を続けています。

 工業団地を造成し、そこへ企業を誘致してくるのではなく、進出を検討している企業の希望に可能な限り応えられるオーダーメイド方式での企業誘致として実施していくという、柔軟な行政としての思考、町長をトップとする取り組みは、大いに参考になりました。

 製造業に特化しての誘致を積極的に進める大内町は、先進自治体として教えを乞うことが多く、今後も姉妹都市として、親しく交流を続けてもらいたいと思います。2日間にわたった大口町の皆さんとの研修と交流は温かく、深い心遣いに感心しきりでした、近いうちの再会を約束して帰路につきました。


宮田大口町議会議長の挨拶


研修中